はじめに:調べものは、診察が終わってからが長い
教科書どおりの症例ばかりなら、調べものはいりません。でも実際の診療では、こんなことがよくあります。
- 「この症状と検査値の組み合わせ、海外で報告はないかな?」
- 「チキンがだめな子に、このフードを勧めて大丈夫?」
- 「今の薬と、飼い主さんが持ってきたサプリ。一緒で問題ない?」
調べようとすると、論文の多くは英語。フードの成分表や症例報告は、それぞれの国の言葉です。AIに聞けばすぐ答えてくれますが、その答えの根拠がどこにあるのかは、結局自分で確かめることになります。
Factdockの考え方:診断は獣医さん。根拠探しは、私たちが
Factdockの獣医ツールには、ひとつの大切な前提があります。診断するのは、獣医さんです。
私たちが担うのは、その判断の材料をそろえるところまで。世界中の論文や公的データを検索し、すべて出典付きで並べます。出典が見つからない情報は表示しません。
そして、それを109の言語で。英語の論文も、他の国の症例報告も、ふだん使っている言葉で読めます。ここからは、ある1匹の症例を例に、4つのツールを順番に見ていきましょう。
※ この記事の画面写真は、それぞれ英語・フランス語・ドイツ語・中国語で表示したものです。どの言語でも、同じように使えます。
ある日の診察から:かゆみが続く、6歳の犬

6歳の犬。体のかゆみと脱毛が続いている。以前、チキンでアレルギーが出たことがある。飼い主さんからは「フードを変えたほうがいいですか?」「このサプリも飲ませていいですか?」と聞かれた。
さて、ここからどう調べていきましょうか。
STEP 1 臨床解析:症状と検査値から、世界の症例報告を探す
まずは、症状、所見、血液検査の値、患部の写真を入力します。
Factdockは、AIに病名を推測させません。入力された観察事実だけを使い、外観・画像診断・血液検査・所見など、項目ごとに世界の学術データベースを検索します。
ここがFactdockの一番の特徴です。それぞれの項目で見つかった資料を突き合わせ、いくつもの項目で重なって出てきた病気ほど、可能性が高い候補として上位にランキングして表示します。
たとえば、患部の写真でも、血液検査でも、所見でも、同じ病気についての報告が見つかれば、その候補は上位に。1つの項目でしか見つからなければ、下のほうに並びます。AIが答えを1つにまとめて返すふつうのAI検索とは、ここが違います。
ランキングの各候補には、どの項目で、何件の資料が見つかったのかがそのまま表示され、根拠の論文も出典まで開いて確かめられます。順位の理由が見えるので、最後は獣医さんが自分の目で判断できます。
検索は英語の文献を土台に、日本語・韓国語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・アラビア語などから最大4つの言語を追加できます。英語だけでは見えてこない、その国ならではの報告にも目を向けられます。

STEP 2 アレルギー履歴・詳細分析:今のフードに「隠れた原料」はない?
チキンでアレルギーが出たことがあるこの子。今のフードにチキンが入っていなくても、安心とは限りません。原料の名前が違っても、たんぱく質の形が似ていると同じように反応することがある。それが交差反応です。
Factdockでは、アレルギー歴と今食べているフード・おやつ・サプリを、成分とたんぱく質のレベルで照らし合わせます。国際的なたんぱく質データベースや論文をもとに、根拠の強さを「確認済み」「論文で報告あり」「推定」「参考」の4段階で示します。

STEP 3 フード・サプリの候補:「じゃあ、何なら食べられる?」
注意したい原料が分かったら、次は飼い主さんの「何に変えればいいですか?」に応える番です。
Factdockでは、問題の原料を含まない、同じ目的のフードやサプリを候補として出典付きで表示します。37か国以上のペットフード・サプリを検索し、加水分解食は印で分かりやすく示します。
どれを選ぶかは、獣医さんと飼い主さんで。候補を出典付きで見せられるので、説明もしやすくなります。

STEP 4 薬・サプリ・フードクロスチェック:その組み合わせ、大丈夫?
かゆみ止めの薬を出す予定。そこに、飼い主さんが持ってきたサプリ。
投与を予定している薬・サプリ・療法食を、その子のアレルギー歴・動物種・持病と照らし合わせます。同じ成分や系統の重なり、交差反応が報告された系統、添付文書に書かれた飲み合わせ、その動物種で注意が必要な成分を、出典付きで示します。
40か国以上の動物用医薬品と、37か国以上のペット製品を検索します。

もうひとつ:エピデミック・マップで、いつものお散歩コースを確かめる
この子は毎日、近くの河川敷や草むらをお散歩しているそうです。
動物から人にもうつる感染症は、住んでいる地域によって気をつけるものが違います。たとえば日本・中国・韓国など東アジアでは、マダニがうつすSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。そのほか世界の各地で、狂犬病・レプトスピラ症・エキノコックス症などが身近な心配ごとになっています。
エピデミック・マップでは、地点と病名を選ぶだけで、発生状況・宿主や媒介する生き物の分布・気象の条件を、ひとつの地図に重ねて表示します。WHOや各国の公的機関のデータを出典付きで示し、ポイントを母国語で解説します。
地図を見せながら、「この季節はマダニに気をつけましょう」といった、いつものお散歩に合わせた予防のアドバイスができます。もちろん、旅行や引っ越しの前に行き先を確かめることもできます。

ひとつの画面で、ひとつの流れのまま
ふり返ると、今回の症例ではこんな流れでした。
- 臨床解析 — 症状と検査値から、重なりの多い順に候補をランキングする
- アレルギー履歴・詳細分析 — 今の食事に、交差反応の心配がないかを見る
- フード・サプリの候補 — 食べられそうな製品を確認する
- クロスチェック — 出す予定の薬とサプリの組み合わせを確かめる
- エピデミック・マップ — いつものお散歩コースの感染症を確かめる
これまでなら、いくつものサイトや論文を、いくつもの言語で行き来していた調べものです。それを、ひとつの画面で、母国語のまま進められます。
こんな方に使っていただきたいです
- 一般診療の獣医師のみなさま — 毎日の「ちょっと確かめたい」を短くして、その分の時間を目の前の動物と飼い主さんに
- 専門病院・二次診療のみなさま — 典型的でない症例で、世界の類似報告から新しい手がかりを探したい時に
- 獣医学生・研究者のみなさま — ひとつのテーマを、いくつもの国の文献で見渡したい時に
- 英語以外の言語で調べたいみなさま — 入力も結果も、自分の言葉で
おわりに
Factdockの獣医ツールが目指しているのは、獣医さんの代わりに答えを出すことではありません。世界中に散らばっている根拠を、母国語で、出典付きで、すばやくそろえること。その材料をもとに判断するのは、目の前の動物を診ている獣医さんです。
それぞれのツールの詳しい使い方は、これから1つずつご紹介していきます。まずは「この症例、海外ではどうだろう?」と思った時に、試してみてください。
※ 表示される情報は、検索で見つかった公開情報にもとづく参考情報です。診断や治療の指示ではありません。
よくある質問
Factdockが診断をするのですか?
いいえ。Factdockは、世界の論文や公的データを検索して、判断の材料を出典付きで並べる道具です。診断や治療の判断は、獣医さんが行います。
どの言語で使えますか?
109の言語に対応しており、入力も結果も自分の言語で使えます。臨床解析では、英語の文献に加えて、日本語・韓国語・中国語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・アラビア語などから最大4つの言語の文献を追加で検索できます。
AIが病名を当てるのですか?
臨床解析の「ファクト照合」では、AIに病名を推測させません。入力された症状・所見・検査値などの観察事実だけで項目ごとに文献を検索し、いくつもの項目で重なって出てきた病気ほど上位にランキングします。各候補には、どの項目で何件の資料が見つかったかが表示されます。病名の仮説から文献を探す「仮説検証」もあり、両方を見比べられます。
フードやサプリの候補は、どのように選ばれますか?
アレルギー歴の原料や、交差反応が報告されている原料を含まない、同じ目的の製品を候補にします。37か国以上のペットフード・サプリを検索し、成分の出典を一緒に表示します。国によって同じ製品名でも原材料が違うことがあるため、お住まいの国の表示もご確認ください。
料金はいくらですか?
プランは月額$9からご利用いただけます。各ツールは、プランに含まれるクレジットの中で1回ごとに使えます。さらに今なら、初月30日間はStarter以上のプランが50%OFFです。
診断は獣医さん。根拠探しは、母国語でFactdockに。
症状からアレルギー、フード、薬、感染症まで。世界の根拠を、出典付きで、ひとつの画面でそろえられます。
